【漫画「子供を殺してください」という親たち】親の見栄が子どもをダメにする【★★★☆☆】

いやーん怖い(泣)
作者は鈴木マサカズさん。
「ケーキの切れない非行少年たち」の漫画のレビューは2回しております。

www.abaryouikublog.com

他作品はマトリズムなど。
この作者が描く登場人物たち、目が死にかけている時があってゾクッとします…
狂気を孕んでいるんですよね。
人間の底知れぬ恐ろしさを感じさせます。

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「子供を殺してください」という親たち

こちらの漫画は心のバランスを崩してしまった子供(といってもほぼ成人している)に親が手を焼き、病院に移送してもらうよう頼む話です。

承るのは民間の精神保健事業所の社長である押川氏。
なんとノンフィクションで、原作の作者はこの精神障害者移送サービスを日本で初めて創始された方らしい…!

 

所々アスペルガーだったりするかも、という記述はでてくるものの、自閉症スペクトラムはあまり出てきません。

 

子供時代は良くできた子供。
成績もよく、いいところに就職した。
でも職場でうまくいかなかったたり、失恋をきっかけに、精神のバランスを崩して引きこもってしまう。
症状が悪化し無気力な毎日。家族に他害を及ぼしたり、ゴミに埋もれて生活したり…
本人も家族も苦しむ地獄の日々。

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子供が病気を拗らせてしまった主な原因として、親が子供を病院に繋げなかったことが度々描かれていました。
周りに自分の子供が躓いたことがバレたくない。
自分の見栄を優先した結果です。

今までいい子だったのに、勉強もよくできたのに、親が望む所謂「普通の」人生を歩いてきたなのに、今になってどうして…?

子供がを精神的に患っていることを認めず、先延ばしにしてきた問題。
本人もご家族も地獄の苦しみを味わうことになってしまいました…

 

怖いのが、どの人にも他人ごとではない話であること。
今うまくいっていても、子供が何かをきっかけに心身のバランスを崩してしまうことはいくらでもあります。

「普通」なんてあっけなく崩れる。

その時に親はどう手を差し伸べてあげられるか。
世間体にこだわって子供を否定し、問題を見ずそのまま放置するのか。
それとも適切に病院に行って処置を受けさせ、回復するのを隣で助けるのか。

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いやはや親の責任は重い、重すぎる…
子供よりも世間体や見栄を優先しないよう、心に誓いたいです。

読了後の爽やかさはマイナス100%(笑)
気持ちが落ちている時には読まない方が良いですが、自分への戒めとして現実を直視したい時はオススメです!

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