病院で診断を受けた後、ひたすら自閉症が治るとか自閉症治った、診断されたけど違った、とかそういう類の情報を夜な夜なGoogleで検索していました。
いても立ってもいられなかった。
そこで出会った2冊。
①「わが子よ、声を聞かせて―自閉症と闘った母と子―」キャサリンモーリス著
②「ママ」と呼んでくれてありがとう 杉本美花著
「わが子よ声を聞かせて」は1990年代に応用行動分析(以下ABA)を用いて自閉症のお子さん(しかも二人)を治した(と言うのは語弊があるかもしれませんが)、お母さんの奮闘記です。
私はこれを読んで心から勇気づけられました。
表現は過剰なのですが以下の部分に付箋がはってあり、当初自分の心を奮い立たせるために良く読み返していました。
“私はその晩日記に最初の戦闘計画を書きつけた。
アンマリーを隅っこに座らせない、紐で遊ばせない、私を見ないようにはさせない、黙ったままにはさせない、あの子がそうしたがっても私は許さない
泣き叫んでも手足をバタバタさせても引きずってでも人間の状態に戻してやるのだと”
何が何でも治してやる、といった母の燃えるような執念の気迫を感じます。
実際にABA療育を行ったのは著者のモーリスさんではなく雇ったアルバイトの学生さんなのですが、毎日家にきてもらい課題を行うことで娘のアンマリーは飛躍的に成長していきます。
2冊目の著者杉本美香さんは毎日5時間も自分で課題を考え、来る日も来る日もABA療育を行っていました。
二歳の発達検査でDQ54だった息子の太郎君を健常域まで回復させたという話です。
親として子供の自閉症がわかった時に陥る絶望。
自分に何か一つでもできることはなのか、と模索する中で見つけた ABA 療育。
毎日親が療育することで自閉症から脱出できたという事例。
ABAという療育によって回復した子供がいるという事実を知り、私にもできるかもしれない!いやこれしか方法がないんだ、ABA療育をやらなくては…!と決心しました。
お子さんの療育に対する考えは人それぞれであって、親御さんの方針が尊重されるべきです。
自然な成長を見守りたいという考えや、療育施設で専門家に作業療法をしてもらいたい等家族によって意見は異なります。
どの方法が良いか悪いかというよりも、家族が納得してお子さんの状態を受容し日々を楽しめることが一番だと今は思っています。
私は息子の障害をそのままにしておきたくなかった。
回復できるかもしれない方法があるのに、その機会をみすみす逃すことは到底できなかったのです。
息子のためではなく、ただの私のエゴです。
子供が自閉症であり、障害を抱えている…その事実に耐えられず何かしたいと思う一心で、当時1歳5か月の息子に私はABA療育をやりはじめました。