思い通りの子供なんて幻想
裕福で家事や育児を完璧にこなしは絵に描いたような専業主婦のあすみと息子、優
カメラマンの夫をもち、やんちゃな2人兄弟に手を焼く留美子と息子、悠宇
シングルマザーで工場とコンビニで朝から晩まで働きっぱなしの肝っ玉母さん可奈子と息子、勇
冒頭ではユウ君が母親による虐待で亡くなった場面が生々しく描かれています…
抑えられない怒りと止まらない手。
さてユウくんを殴って殺したのはどの母親でしょうか?
子供は親を選べないように、親も子供を選べない。
健康なのか障害があるのか、性格は穏やかなのか乱暴なのか、育てやすいのか育てにくいのか…
どんな子供が産まれるのか、まさに運ですよね。
今何も問題がなく予定通り育てられたとしても、小学校に上がった時、社会に出た時、子供に何があるか分かりません。
いつも子供が自閉症じゃなかったらもっと気軽に保育園に預けたり、育児が楽だっただろうな、療育もしなくて済んだのにな、と思ってしまいます。
でもどんなに育てやすいと思われる子供でも、母親でいることはとても難しいですね。
大変な仕事だ…
母親の愛情の対象として息子を超えるものはない、と以前読んだことがあります。
自分が愛した男性の若い頃に似ており、かつ自分の遺伝子がブレンドされた男の子。
愛情対象としては一番強いわけです。
愛情が強い分、期待や支配感情、憎悪も相応に強くなり、目を曇らせます。
どんなに恵まれているように見える家でも、家庭内が明るく健全だとは限りません。
隣の芝生が青く見える…その芝生本当に青いですか?
私は結構性格が悪いので「はは~ん、何も問題がなさそうで羨ましいと思ってたあの人も子供のことで悩んでるんだな~」と思わせてくれる本が好きです(笑)