【漫画 どんぐりの家】読むには相当の覚悟が必要、でも明るい未来を期待したい【★★★☆☆】

聴覚に障害がありかつ身体が不自由だったり知的障害も重複して持ち合わせている子供たちの話です。

療育のりょの字も出てこない、昭和40年代が舞台。

 

1巻はろう学校(当時)に通う子供、家族、先生の苦労と成長の話。

先生達も手探りで授業や給食時間もまともに進まず、お母さんは子供に毎日付き添って学校に行くという現状…

 

2巻には学校に行くことが許可されなかった子供達も登場します。

当時は障害が重く常時介護が必要な子供や、学校の設定した学力に満たない子供は、就学免除と言う名目で在宅か施設での生活を余儀なくされていました。

重複に障害をもつ子供達は、学校教育を受けることが認めてられていなかったなんて…。

 

情緒障害特殊学級の設置が開始されたのは昭和44年。

養護学校が義務化されたのは昭和54年と40年前。

盲・聾・養護学校から特別支援学校と名前を変えたのは平成19年なので、たった15年前のことなのです。

 

恥ずかしながら、特別支援教育が制定されたのがごく最近のこととは知りませんでした。 

 

漫画自体はとても重いテーマです。

「私は自分の子供よりも一日だけ長く生きたい」と言うお母さんの言葉には胸を締め付けられます。

障害のある子供を持つ親御にとって、自立は永遠の課題ですもんね。

子供と彼らを取り巻く大人の成長がテーマになってるとはいえ、さっと読み流すことはできません。

障害の重さや社会に対する無力感が募ります。

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でも40年ほどで特別支援教育はこれほど大きく変わった、ということは…

これから10年先20年先は想像を超えた進歩を遂げるはずです…!

 

40年前は学校に行くことすら許されなかった子供たちがいて、障害についての理解も乏しく、体罰や無理強い、自宅軟禁などの状態がまかり通っていた野蛮な時代だったのです。

今は特別支援に関する理解も進み、テクノロジーも発達しました。

医療器具やIT機器を活用することで子供の苦手・不得意なことをカバーできる時代になっています。

今後も障害に関する研究は進み、障害の予防や改善が当たり前の時代が来るかもしれません。  

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どんな形でもいいから、子供の将来像を明るく想像できるような未来がやって来ますように。

そして今の私にできるのは、息子が小さいうちに家庭療育をしっかりすること。

これに尽きる。
未来へ一歩ずつ積み重ねていきたいです。


どんぐりの家(1) (ビッグコミックススペシャル)

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