著者は自閉症の息子さんがっちゃんを連れ、本格的な療育受けさせるべくロサンゼルスへ渡米。
療育を受けても、息子さんは著者の方の期待ほどは改善しませんでした。
そこで自閉症児に療育は必要ない、普通の人間とは違うとありのままを受け入れ楽しめばいいのだと主張してらっしゃいます。
挿絵に漫画が二つあります。
息子さんがはまってること…
部屋の中央でうん○をすること
部屋でピザを投げて天井にぶつけること
…それでいいの?
それって楽しめるの?
ピザってフリスビーみたいに投げれるんだ、その発想面白〜い!
と楽しめる人いるんでしょうか。
がっちゃんの問題行動は半年の周期で変化していきます。
ボールで非常ベルを押す、その次は部屋でうんちをする、その次はサウナでおしっこするブーム。
ABA をはじめとした療育の専門家からセラピーを受けたけれど、この問題行動は改善されることはなかった、と著作には書かれています。
…それ指導者が悪いんですよ。
がっちゃんやお父さんが悪いわけではない。
その問題行動、ちゃんとした ABA の指導者につけば2週間ぐらいで消去できます。
療育は親も子も苦しめると書いてありますが、本当でしょうか。
親の立場からすれば療育に苦しんでるのではなく、子供の問題行動にこそ苦しんでるんだと思います。
人前で奇声をあげたり癇癪を起して日常生活がままならなかったり…
それを自閉症児って他の子と違うから面白い!楽しい!と思える人はいいですよ。
でもその行動を丸ごと受け入れられるほどの忍耐力と器の広さは私にはないです。
この一週間息子が「ちーちーちー!」とふざけ回ってコンプライアンスが悪い状態ですら、私は気力が失われて息子への愛情がだだっ減りしているくらいです。
私だったら多少今苦しくても療育をして、その問題行動をなくす方が百倍いいですね。
それにお子さんにとっても、好きなようにやらせたい、興味を優先させたいという理由で療育を施されなかったことは良いのでしょうか。
療育をせず全てを容認して育てた結果、癇癪が残ったまま大人になり、怒ると物を投げつけ人を叩き迷惑をかける。
そのことで社会から排除されるんだったら、療育をしないことは子供が社会に溶け込んで暮らしていく可能性を奪っています。
療育には子供の改善には効果ないとおっしゃっていますが、その療育と指導者があってなかったんじゃないですか。
3ヶ月から半年ぐらいして問題行動が減らなかったり改善が見られないんだったら、その療育を速攻変えるべきです。
私も初めは某親の会でABAをやっていたのですが、しっくりこなかったのでやめ、他のエージェントを探しました。
もちろん自ら多様性を認め合う居場所づくりをされているのは頭が下がるばかりです。
でも「療育なんていらない」という考えには反対です。
皆さんはどう思われますか。