「光とともに…」の漫画は光くんが大人になって働く姿が描かれていません。
お父さんの実家で同居し、転校先の中学校特別支援級に通うところで別巻は終わっています。
作品の途中で作者の方がお亡くなりになられたので、残されたネームをもとに河崎芽衣さんが意思を継がれ、別巻として発売されたのものが最終巻です。
「光り輝く明日へ」は「光とともに」の続編といっても良いはず。
自閉症の障害を持つ子供が大人になり、生き生きと働く姿が描かれています。
元小学校支援級の担任の先生が作ったお豆腐屋さん、日本郵政グループの特例子会社、障害者雇用をしているパン屋さん。
親としては子供が将来、こんなに障害に理解があってサポートをしてもらえる人がいる職場で働いてくれたらなあ、と願わずにはおられません。
2話目で描かれている日本郵政グループの特例子会社は、「ゆうせいチャレンジド」という知的障害の方を150名程雇われている実際の会社です。
漫画では、自閉症を持つ職員に対してジョブトレーナーの方が複数おられ、仕事内容や生活態度に対する手厚いサポートを受けられています。
曖昧な指示が伝わらなかったり、コミュニケーションが難しかったり、働く上で困難は沢山あるのですが、やはり大きい会社だとそれをサポートしてくれる人的資源が豊富にありそうですね。
ただ社会に手厚いサポートを求めるだけでなく、 将来大きくなって働くのに必要なスキルは子供の頃からしっかり教えてあげないといけないな…とひしひしと感じました。
結局何の本を読んでもこの結論に行き当たります
手洗いなどの衛生スキル、食事の準備や家事洗濯などの生活スキルや癇癪を起こさず自分の気持ちを相手に伝えられるスキルを療育で身につけていく。
気にならないことがあったら相手を叩いたり、物に当たったり、逃げたり…
そういった問題行動はなるべく小さいうちから失くしていくに越したことはありません。
大人になっても働くにあたって、サポートや配慮は程度の差こそあれ必要になってくると思います。
でも子供が自分に合った環境を見つけられれば、健常者と変わらずに生きがいと充実感を感じながら働ける未来もある、と希望が持てる一冊でした。