特別支援教育に長年携わっている著者が学校で実際に子供さんに使用し、評価の高かったアイテムが紹介されています。
第1章で紹介されているのは身辺自立を援助してくれるお助けグッズ。
指を通す部分がないハサミや紐を結ぶ必要のない靴紐などは幼児期のお子さんに使えそうです。
紐にコブがついているから結ばずともきゅっと締まるのか…
第2章以降は声のボリュームを示すカードや1日の見通しが立てられる壁掛けスケジュールなど、年長さんや小学校低学年のお子さんが対象です。
持ち手に指を通さなくても切ることができるハサミ、3歳の息子に実際使えそう。
このCastaには持ち手に指を通す部分がなく、カスタネットのような部分を押せば紙を切ることができます。
通常のハサミは
①穴に指を入れて持ち手の部分を開閉する
②紙を切り進めるためにハサミを前に動かす
この二動作の組み合わせです。
同時にするのは難しい。
まずカスタでまっすぐ紙を切りながら刃を進めていく②の動作ができるようになれば、普通のハサミに切り替え、①の練習をしたら良さそうですね。
手先が不器用な息子でもこれならできるかもしれません。
発達障害の子のためのすごい道具、と聞けばその道具さえ使えば万事解決と勘違いしがちですが、それはこの本が言いたいことではないと思います。
できないことがあるならば身につけるべきスキルをまず分解する。
一つ一つ教えていくにあたって、必要であれば特別な道具の助けを借りる。
特別な道具を慣れて使えるようになったら、普通の道具に戻す。
まさにABAでいうところのスモールステップで、「できない」を「できる」に変えられます。
そして小コラムで書かれていた「問題行動になりそうなことは早めに摘んでおけ」という著者の考えが好きです。
この著者は信頼できるぞ
発達障害の子のための「すごい道具」: 使ってみたら、「できる」が増えた (Oyakoムック)
本には沢山のグッズが紹介されていますが、あれこれグッズを買い込むのではなく、スキルを教えてあげる際に手助けにできそうな道具があれば買えばいいかと思います。
折り目がついた折り紙は買わなくても自分で作れますしね(笑)
1日の予定を示した壁掛けスケジュールも100均のもので代用できそうです。
必要ならば道具の助けを借りて、今日も1つずつ息子に教えていきます。