【飛び跳ねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること】東田さんの哲学に畏敬の念を感じる【★★★★☆】

これは哲学書

東田さんの本を読むのは初めてです。

会話はできないけれど自分を分かってもらいたくて泣いていた、いつも助けてもらってばかりだから立派な人に憧れる、という東田さんの偽りない言葉には胸がつまりました。

正直読んでいる途中から息子の障害云々は頭を離れ、ページをめくる手が止まりません。

障害の有無に関わらず、誰もが感じたことのある根本的な孤独感に共感するからかな。

 

世の中の成り立ちや人間のあり方を深く洞察されています。

一人の時間に深く内省されてらっしゃるのだろうなあ。

同じ時に決まったルーティンを好む理由や挨拶を返さない理由等も書かれているのですが、なぜそういった不可解な行動をするのか興味本位で手に取るような本ではないです。

これは東田さんの哲学の本です

読む人を選びます。

ご自身の瑞々しい言葉によって表現された世界観を読むと、自分も同じ感覚を味わっているような不思議な気分になり心地よくなりました。 

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ただ一つ勘違いしてほしくないのは、この本は東田さんから見た世界の話であり、自閉症をもつ人間が皆こういう見方で世界を捉えているわけではないです。

息子は水にこだわりあるわけではないし、人が風景の一部にしか見えていないとは1ミリも思っていません。

 

後、家族や周りの人間に対する記述が少ないのが気になりました。

家族がかけてくれる言葉が光だった、母は自分が涙するといつでも辛かったねと声をかけて泣かせてくれたという文はありますが…

どこか客観的で淡々とされています。

東田さんのご家族に対する思いをもう少し聞いてみたいです。

後、療育についてどう思っているか聞きたい(怖いけど)

他の本に記載されているかもしれないので、また読んでみようと思います。


跳びはねる思考 会話のできない自閉症の僕が考えていること

紹介したこの本はKindleUnlimited対象なので、Unlimited会員になれば無料で読めます。

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ちょうど4月2日から「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」を原作にした映画が公開されています。

movies.kadokawa.co.jp

原作本はこちら。

【補足】

介助つきコミュニケーション(Facilitated Communication)については介助者が書いたのか本人が書いたのかという真贋論争が幾度かあるようです。

この件に関しては当ブログで深入りするつもりはありません。

東田さんの著書を読む際は東田さんご自身の言葉だと思って感想を書いております。

ですが映画は観に行く予定はありません。

 
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