お父さん全身全霊をかけて娘さんの自閉症に挑まれたのですね
一人娘のリカちゃん、2歳を過ぎても発語もなく、奇声を上げ続け目も合いません。
3歳前に自閉症と診断され著者の東条さんは不安と絶望に苛まれます。
数々の民間療法を巡礼し最終的にABAと出会い、上智大学の中野教授に早期療育プログラムを組んでもらいます。
ロヴァース博士といえば、自閉症児に対するABA 療育の有効性を示した1987年の論文が有名です。
2~3歳の自閉症幼児19人に対して、ABAに基づく平均週40時間の1対1の療育を2年以上施したところ、小学校入学時点で19人中9人(47%)が知的に正常になり小学校普通学級に入学したという結果が出ています。
中野教授はロヴァース博士のお弟子さんだそう。
研究室の大学院生5人に毎日交替で自宅に来てもらい、週14時間ABA のセラピーをしてもらう。
これを3歳から3年間、自費で続けられたそうです。
もちろん保険がきかないので月30万円から50万円かかったと記載されています。
上記のロヴァース博士の研究で、知的に正常域に達した子供が将来どうなったのだろうとずっと疑問に思っていましたが、その子供のうちの一人についてはこの本に書いてありました。
著者の東条さんがテレビ番組の特集を見たところ、25歳の青年になって年収5万ドルのガラス職人として自立していた…!
娘さんの障害と向き合い、ABA療育をしていく中で東条さんは自分の仕事やお金、幸せに対する考えを大きく変えていきます。
娘さんの成長と共に描かれる東条さんのパラダイムシフトの話も興味深かったです。
人は行動次第で変わる
教えられていたのは僕だった
願いは叶っていたんだ
私はまだそんなレベルには到達していないけれど…
東条さんの執念と幸せを掴みにいった行動にあっ晴れの気持ちでいっぱいです。
もうだめかもしれない…と力が出なくなった時にエネルギーチャージができる一冊です。
ぜひ。