6月23日に発売されたリエゾン5巻。
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前半は子連れ再婚してできた息子さんのディスクレシアに悩むお母さん、後半は奥さんに先立たれ自閉症の娘さんを含む二人の子育てに苦悩するお父さんの話。
2本立てです。
どちらの話の親御さんも、今まで発達障害の子供と濃密に過ごしてきた時間が少なく、発達障害や子供の生きづらさを十分に理解できていませんでした。
時間をかけて子供と向き合ううちに、子供の生きづらさや本当の気持ちを徐々に理解できていきます。
子供自身の痛みや辛さを少しでも自分の痛みとして感じられれば、温かい手を差し伸べることができる。
いつでも家族は再生できる。
読み進めると温かな確信を得ることができました。
前半のディスクレシアの息子さんのために、お母さんは少しでも読み書きの補助になるようにと学校の先生にタブレットの使用許可を申し出ます。
息子さんに「タブレットを使うってずるいこと?」と聞かれ、「私はメガネをかけているけど視力が悪いからかけてるだけ」「それってずるいと思う?」と答えるお母さん。
全然ずるくないよね。
合理的配慮とはなんたるかはこのお母さんの答えに凝縮されると思います。
発達障害を持つ子供は本人も辛いし、家族も辛い。
育児は一筋縄ではいきません。
でもお互いの痛みを分かち合い解決に向かって一歩ずつ進んで行けば、幸せに近づいていける。
そっと道しるべを与えてくれる一冊です。