『オランダへようこそ』、ダウン症のお子さんを授かった親御さんに向けたメッセージとして有名ですね。
コウノトリでも紹介されています。
自閉症児の親御さんで、
オランダ…?そんな生易しいもんじゃねえぞと思ったことがあるのは私だけではないはず。
自閉症児バージョンとして『ベイルートへようこそ』という詩があり、こちらの方が現実に沿っているよな…と納得しました。
こちらのページで『オランダへようこそ』と併せて詳しく訳してくださっています(ベイルートは後半部分)。
自閉症児を育てる親御さんのストレスは戦場の兵士なみ、という論文もあるくらいです。
風車もチューリップもあって綺麗な先進国のオランダとは訳が違う。
イタリアに行きたいと思ってオランダだったら全然OK。
予定変更して観光も楽しめる。
でもベイルート(レバノンの首都)だったら許容できる人はいないでしょ。
のんびりバカンスに来たつもりが手ぶらで戦場に送られるなんて。
しかも逃げ出すことすら許されていない。
何がベイルートなのか?
そこで自閉症児育児辛いことあるあるをまとめてみました。
子供自身のこと
・癇癪や叩く、噛みつきなどの他害(問題行動)
・くるくる回る、奇声、ひたすら並べる、見ていて辛い自己刺激
・発語指さしがなくてコミュニケーションがとれない
・健常児と比べて発達が遅く、成長している実感が得られない
将来への不安
・小学校中学校高校と大きくなってもずっとこの障害と向き合わなければならないのか、と憂鬱
・子供のお世話からいつ解放されるんだろう、という未来への絶望
・親亡き後子供は一人で生きていけるのか、という不安
周りとのいざこざ
・他害や場を乱す行動で迷惑をかけたことで園の先生や保護者に謝ってばかり
・健常児ママにマウントを取られる
・保健師さんや行政に相談しても何も改善しない
・気持ちをわかり分かち合えることができる人が少ない
・家族や親族が理解してくれない
物理的な悩み
・夜鷲症や夜泣きがしんどい
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親の自尊心が低くなる
・周りの定型発達児の成長を目の当たりにし凹む
・子供の成長に一喜一憂する
・もし子供が発達障害じゃなかったらなあ…と考えてしまう
・思い描いていた子育てとのギャップに苦しい。
叱らない子育てとか、のびのび育てるとか、2人子供を産んで兄弟楽しく遊ばせたかったな~とか。
息子の自閉症が発覚した当時、辛くて心理カウンセリングに何度か通ったこともあります。
受けた後多少すっきりしましたが、何も解決しませんでした。
結局療育で子供を伸ばしてあげるのが一番の解決策だと思います。
子供の問題行動を減らし、スキルをつける。
何もせずただ子供の成長を待つだけの毎日なら、苦しくてとても生きていけなかった。
実際療育をして子供が成長していくと共に、辛い気持ちは減ってきました。
後、癇癪対応についてABAをやっている親の立場から一つだけ言わせてください。
児童発達支援事業所や療育クラスで子供が癇癪をおこしたら、なだめたり話しかけたりする職員さん多すぎません?
「そうか~あのおもちゃで遊びたかったのね~」とか「次は○○君が遊ぼうね」とか。
それ強化ですから~!
ますます癇癪の頻度やレベルが上がるからやめてほしいです。